広島駅周辺地区まちづくり協議会

会員インタビュー

~新駅ビルを脅威と捉えず、
      手を携え駅周辺エリアを広島の新軸に~
 広島駅南口開発株式会社 営業部長 大宮 勉さん

Aug.2025

―広島駅の周辺が大きく変わっていますね。    
 これまで広島の中心といえば、やはり紙屋町や八丁堀という印象でした。しかし、ここにはエールエールもずっとありましたから、もっと早く広島駅周辺に力を入れるべきだったかもしれませんね。    

―ひとつの転機となったのは2009年のマツダスタジアム開業でしょうか?    
 球場移転はこのあたりの環境と雰囲気を一変させました。多くの市民の方や企業がこのエリアに注目をはじめ、再開発の機運は一気に加速したと思いますよ。

―そしていよいよ新駅ビルのオープンですね。
 旧駅ビルの解体が始まったのが、ちょうどコロナ禍でしたね。あの辛い時期を乗り越えて、ようやく新たな姿が目の前に見えてきました。ここで商売する立場から見ても、この駅前が“広島の顔”になっていけばいいなという思いがあります。    

―ずっとその変遷をご覧になってきていると思いますが。    
 エールエールの開館は1999年です。私はその10年前に広島駅南口開発に入社し、開館前から現在に至るまで、ずっとこの地で働いてきました。

―当時と比べて今の状況はいかがですか。
 入社した当時は「再開発」という言葉がようやく動き出したくらいでした。A、B、Cブロックと再開発事業のエリア名で呼んでいただけの時代から、今やどこも立派な施設名がついて、にぎわっていますから歴史を感じますね。

―ご出身は広島ですか?
 そうです。就職も地元志望で、ちょうど行政の外郭団体の募集があって「再開発」という分野に惹かれたんですよ。インフラの整備だけでなく「街を育てる」っていう感じがよかったんですよね。    

―その後、広島駅周辺一筋ですね。
 この館の中で四半世紀をすごしてきました(笑)    

   

―その間、様々な変化があったと思いますが、今、エールエールA館は再び大きな転換期を迎えていますね。    
 駅ビルの建て替えと周辺再開発が進む中、私たちも変わらないといけない。そんな時に新たに広島市中央図書館を迎えることになったんです(注:2026年度中の開館予定)。
我々のテナントである福屋さんも変化の必要性を感じていて、一緒に図書館という“新しい血”を得て、次の10年20年をつくっていこうという話になりました。

―歓迎ということですね。
 “新しい広島駅”という強力な集客装置に対し、競合するのではなく、エリア全体で価値を高め合って、駅周辺全体を盛り上げないといけませんからね。

―御社はエールエールA館に加え、広島駅南口地下広場も管理されています。
 我々は広島駅南口地下広場を25年間、広島市から受託し管理運営しております。その中でたくさんの課題があるのですが、そのぶん、どう活かせるかもよく分かっています。
今回の再開発にあわせて、周辺との回遊性を高め、このエリアに集まった人が地下にもしっかり流れるように、開催するイベントであったり快適性の向上など、新しい提案をしていきたいと考えています。    

―これまでの取組事例はございますか。    
 まだまだこれからですが、ひとつはベンチ付きのテーブルを社会実験の一環で設置したところ、好評を得ています。地下も使い方次第でまだまだ面白くなるし、もっと居心地の良い空間になりますよ。

―今回の周辺再開発にあわせて地下広場にも変化が?    
 現在は地上の工事に関連した作業用の仮囲いが多く設置されています。地上工事完了後に仮囲いは取り払われて、地下広場の再整備が始まる予定です。

―先ほど課題があると仰ってましたが、それらの改善も見込まれますね。
 今後、駅からエールエールA館につながる新しいペデストリアンデッキが整備されて、歩行者動線が地上部に移る可能性があります。現在、歩行者動線としての役割もある地下広場が地上部に取って代わられる、という事ですね。じゃあ、地下の役割はもう無いのか?という事ではなく、今後は地下広場を単なる通過点ではなく、今以上に「目的をもって来てもらえる場所」に生まれ変わらせることが期待されます。    

―それにあわせて快適性の向上も必要という事ですね。
 地下なので直射日光や雨からは守られてはいるのですが、空調が無いので気温管理という課題があります。これは構造を変えることで快適な環境に改善できる可能性があると聞いています。
「目的をもって来てもらえる場所」にするためには、このような課題に取り組み地下空間をより快適な場所に変えていく必要があります。    

―長く広島駅周辺を見てこられている大宮さんのお気に入りの場所はどこですか?
 やっぱりマツダスタジアムですね。カープファンですから(笑)
あと、猿猴川と川の駅も良いですよ。日が暮れてあかりが灯った猿猴橋はキレイですね。春に桜が咲いている時に、川の駅から荒神橋を走る路面電車を見たときなんか「あぁ広島だなぁ」って感じますね。

   

―路面電車と言えば、駅前大橋ルートの開業に伴い、荒神橋を渡る路面電車を見られるのもあと少しですね。
 私が思う「広島の風景」が1つなくなりますが、一方、期待している事もあります。
今後、猿猴橋電停周辺は線路がなくなって歩道が広がると聞いています。そこが遊びの空間になり賑いが生まれて、さらに周辺との回遊性が向上したら良いですよね。    

―本日はありがとうございました。変化が続く広島駅周辺ですが、お話の最後に「変えたくない、守っていきたいこと」を教えていただけますか。
 場所や物というよりは、私達の協議会みたいな有志の集まりは、ぜひ継続していきたいですね。人とのつながりっていうのは本当に大事ですからね。
広島全体に目をむけると野球、サッカーをはじめとしたプロスポーツチームがこれだけ存在していて、市民が熱く応援している地域も珍しいと思います。
特に野球については球界再編問題もありましたが、それも広島では市民の声で守られました。それらはすごい財産ですよね。

(2024年9月インタビュー)
   

広島駅南口開発株式会社 広島市南区松原町9番1号    
 ⇒広島駅南口開発株式会社ホームページ:https://yaleyale.co.jp/